社会の用語は覚えたのに、グラフや表が出ると答えを選べない。そんなときは、暗記の量を増やす前に「何の数字を、何と比べているか」を確認してみましょう。資料問題では、知っている内容から答えを予想するだけでなく、目の前の資料が示す事実を読み取ることが大切です。
まず表題と単位を確かめ、比べる場所や時期をそろえ、その違いを短い文にする。この順番で、一つの資料から練習を始めてみませんか。
最初に見るのは、棒の高さより表題と単位
グラフを見た瞬間に「一番大きいもの」を探すと、設問が求めていることとずれる場合があります。次の項目を先に確かめましょう。
- 表題:人口、出荷額、土地の利用など、何についての資料か
- 単位:人、万人、円、%など、数字が何を表しているか
- 対象:どの地域・年代・産業などを取り上げているか
- 凡例と注記:色や線の意味、集計の範囲はどうなっているか
例えば、目盛りの「10」が10人なのか10万人なのかでは、読み取る内容が変わります。折れ線グラフなら、縦軸の目盛りの間隔や、横軸の年の間隔がそろっているかも確認します。線の傾きだけで増え方を判断せず、実際の数値に戻ることがポイントです。
割合が大きいことと、人数が多いことを分ける
帯グラフや円グラフでは、全体に占める割合が示されます。ここで注意したいのは、割合だけでは実際の人数や金額の大小を決められない場合があることです。
全体の大きさも合わせて読む
練習用の架空の例として、A地域は人口1,000人のうち20%、B地域は人口500人のうち30%が、ある活動に参加しているとします。割合はB地域の方が高くても、参加人数はA地域が200人、B地域が150人です。
「割合が高い地域」と「参加人数が多い地域」では答えが異なります。問題文がどちらを尋ねているかを確認し、人数を求めるための全体の数が資料にあるかを探しましょう。全体の数が示されていなければ、人数の多さまでは判断できないこともあります。
増えた量と増えた割合も区別する
100から120への変化は20の増加、200から220への変化も20の増加です。一方、元の数に対する増加率は、それぞれ20%と10%になります。「いくつ増えたか」と「何%増えたか」を同じものとして扱わないようにします。
計算の前に、設問の「人数」「割合」「増加量」「増加率」といった言葉に印を付けると、比べる数字を選びやすくなります。
記述問題は、資料の事実を一文にする
「資料から読み取れることを書きなさい」という問いでは、まず資料にある事実だけを短く書いてみましょう。いきなり背景や理由まで説明しようとすると、資料にはない内容を混ぜてしまいがちです。
例えば「A年からB年にかけて、Xの割合が上がっている」のように、対象・期間・変化をそろえます。数字を使う必要がある問いなら、始めと終わりの値を添えます。「多い」「増えた」だけで終えず、何と比べた説明なのかが伝わる文を目指しましょう。
理由を求められたときは、その後で教科書の知識と結び付けます。二つの数字が同じ時期に変化していても、それだけで一方がもう一方の原因だとは決められません。資料から分かることと、追加の知識を使って考えることを分ける練習が役立ちます。
復習では、選択肢の違う部分を一つ直す
答え合わせで正解の記号だけを写すと、どこを読み違えたかが残りません。間違えた選択肢について「地域が違う」「年代が違う」「割合を人数と取り違えた」など、資料と合わない箇所を一つ探してみましょう。
例えば「すべての年で増えている」という選択肢なら、途中で減っている年がないかを確かめます。文章を区切り、前半は正しいが後半は資料と合わない、と確認する方法もあります。理由が見つからなければ、その選択肢と資料をセットで先生へ質問しましょう。
一度に大量の資料を解くより、まず一問で「単位」「比較対象」「答えの根拠」を自分の言葉にすることから始められます。保護者の方が毎日答案を点検する必要はありません。本人がどの部分で迷っているかを、授業や相談の場で伝えられる形にしておくとよいでしょう。
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